Q12.チェーンの選定の方法はどの方法でも良いのですか?

各選定方法の特徴を示しますので、チェーンの使用方法、種類に合わせてご使用ください。

選定方法 引張強さに対する安全率 低速選定法
総合カタログ「1 伝動用チェーン/ローラチェーン伝動の設計/チェーンの選定法」参照
伝動能力表
総合カタログ「1 伝動用チェーン/ローラチェーン伝動の設計/チェーンの選定法」参照
考慮されているトラブル事象
大荷重による破断(塑性変形)
比較的小荷重による破断(疲労破壊)
ブシュ・ローラの衝撃破壊
部品の焼き付き
油切れ(摩耗)
腐食環境による強度低下 ※1
極温度下の影響 ※2
備考 安全率の数値次第で、△項目を満足できるかどうかが変わる。
(安全率を大きくとれば、低速選定法や、伝動能力表による選定よりもより安全になることもある。)
従来からよく使用されている選定方法で、コンベヤチェーンや、稼働頻度の少ない吊り下げ用途では一般的。
適用範囲をチェーン速度50m/min以下と限定している。
基本的にスプロケットの高回転数域で発生しやすい△項は考慮されていない。
しかし。「低速」に限定しているので、△項の可能性はほぼ無い。
左の選定法と同じような用途で使用することが多い。
伝動能力表中に給油方式を指定しており摩耗伸びを考慮してある。
高回転域まで表にしているので、モーターやエンジンからの出力を装置に伝動する選定にも使用できる。
また、比較する数値が動力値(kw)なのでチェーン張力の算出が不要で簡単にモーター馬力と比較可能。

●:考慮されている。
△:場合により考慮されている。
ー:考慮されていない。
※1:使用するにつれ進行してゆく腐食は、程度の予測が困難なため、通常の選定法には含むことができません。あらかじめ耐腐食の機能を備えたチェーンの選定をお勧めします。
※2:極温度(高温、低温)時には、クリープ、低温脆性等による強度低下、変形、破断が懸念されるので、常温よりも使用できる限度の強さを低く設定しています。各温度での伝動能力は、総合カタログの「1 伝動用チェーン/ローラチェーン伝動の設計/チェーンの選定法」をご参照ください。この項に沿って補正した能力にて、それぞれの設定法をご使用下さい。

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