各選定方法の特徴を示しますので、チェーンの使用方法、種類に合わせてご使用ください。
選定方法 | 引張強さに対する安全率 | 低速選定法 総合カタログ「1 伝動用チェーン/ローラチェーン伝動の設計/チェーンの選定法」参照 |
伝動能力表 総合カタログ「1 伝動用チェーン/ローラチェーン伝動の設計/チェーンの選定法」参照 |
考慮されているトラブル事象 | |||
大荷重による破断(塑性変形) | ● | ● | ● |
比較的小荷重による破断(疲労破壊) | △ | ● | ● |
ブシュ・ローラの衝撃破壊 | △ | △ | ● |
部品の焼き付き | △ | △ | ● |
油切れ(摩耗) | ー | ー | ● |
腐食環境による強度低下 ※1 | ー | ー | ー |
極温度下の影響 ※2 | △ | △ | △ |
備考 | 安全率の数値次第で、△項目を満足できるかどうかが変わる。 (安全率を大きくとれば、低速選定法や、伝動能力表による選定よりもより安全になることもある。) 従来からよく使用されている選定方法で、コンベヤチェーンや、稼働頻度の少ない吊り下げ用途では一般的。 |
適用範囲をチェーン速度50m/min以下と限定している。 基本的にスプロケットの高回転数域で発生しやすい△項は考慮されていない。 しかし。「低速」に限定しているので、△項の可能性はほぼ無い。 左の選定法と同じような用途で使用することが多い。 |
伝動能力表中に給油方式を指定しており摩耗伸びを考慮してある。 高回転域まで表にしているので、モーターやエンジンからの出力を装置に伝動する選定にも使用できる。 また、比較する数値が動力値(kw)なのでチェーン張力の算出が不要で簡単にモーター馬力と比較可能。 |
●:考慮されている。
△:場合により考慮されている。
ー:考慮されていない。
※1:使用するにつれ進行してゆく腐食は、程度の予測が困難なため、通常の選定法には含むことができません。あらかじめ耐腐食の機能を備えたチェーンの選定をお勧めします。
※2:極温度(高温、低温)時には、クリープ、低温脆性等による強度低下、変形、破断が懸念されるので、常温よりも使用できる限度の強さを低く設定しています。各温度での伝動能力は、総合カタログの「1 伝動用チェーン/ローラチェーン伝動の設計/チェーンの選定法」をご参照ください。この項に沿って補正した能力にて、それぞれの設定法をご使用下さい。